我が家には仏壇があり、初詣、お宮参り、七五三は神社に行き、クリスマスも盛り上がり、旅先では神社やお寺や教会を巡り、特に信仰心もなく過ごしてきました。
一年前、父が亡くなり、それから宗教について考えるようになりました。
お通夜、告別式、新盆はお坊さんに自宅に来て頂き、四十九日、お施餓鬼法要、一周忌法要はお寺に出向き、お墓のリフォームの際は、工事前の魂抜きと完成後の石塔建立開眼入魂法要にお坊さんにお墓まで来て頂きました。
その度毎にお布施を用意するのですが(出向いて頂いた時は御車料も)、相場が分からず、寺務所の方に聞いて教えて頂いた目安の金額を納めてきました。
大変申し訳ないけれど、お経の内容がわからず、心に響かず、救いや心の安寧を得られるのならプライスレスですが、お寺さんと関わる度にお布施いくらかなと心配をする事にストレスを感じ、私の両親までは私が対処するけれど、息子達には引き継がせたくないと思うようになりました。
ところで、今月、夫と私は結婚30周年を迎えます。
30年前は和装で神前結婚式を挙げて、披露宴でウエディングドレスとカラードレスにお色直しをするのが一般的でした。
当時の和装は日本髪のカツラをかぶるのですが、まん丸顔の私が日本髪のカツラをかぶったら高木ブーの芸者になるという理由から、ホテルで教会式の結婚式を挙げました。
誓いの言葉を二人で一生懸命丸暗記しました。
「我、その健やかな時も、病む時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命の限り固く節操を守る事を約束します。」
クリスチャンではないので、挙式の前に教会にお説教を聞きに伺ったのですが、その時のF牧師さんのお話が心に沁みて、30年間心の支えになっています。
・結婚は神様からのプレゼント。だから人間がそれを壊してはいけない。
・「バカヤロー」と言えば、相手からも「バカヤロー」と返ってくる。
「愛します」と言えば、相手からも愛が返ってくる。
・相手の長所も短所も全て受け入れる寛容な気持ちが大切。
・愛の言葉を口にし、態度に表す。
・皆からの祝福と二人が結ばれた事に感謝する。
時にはお互いにムカつく事もあるけれど、仲良く、楽しく、幸せに暮らせているのは、このお言葉のお陰です。
心に響かないのにお寺さんにお布施を納めたのなら、30年もの間ずっと心に残るお言葉を授けて下さった教会にお礼をしたいと思い、夕方、教会に伺い、現在の牧師さんに30年分の感謝の気持ちの献金をお渡ししました。
とても喜んで下さり、「結婚40周年も50周年も幸せにお迎え下さい。」と言って頂きました。
あの時、高木ブーを理由に教会式の結婚式にして、本当によかった。
